aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

バジル 天国へのパスポート

神聖であり庶民派


イエス・キリストが復活したのち、イエスの墓のまわりにバジルが生えたという伝説があります。
神聖なハーブ、神の意志が宿るハーブとして、ギリシャ正教会のなかには、いまでも聖水を調合するのに使い、祭壇をバジルで飾る教会もあるそうです。

バジル


ヒンドゥー教徒は死者の胸にバジルをおいて埋葬していました。
バジルは天国へのパスポート、故人があちら側へ無事にわたってゆけるよう、手向けられてきたハーブです。


インドではバジルを宗教的儀式・礼拝に使っていました。
葉を噛んで霊感を授かり、ビシュヌ神とその化身であるクリシュナに献上しました。
クリシュナとその妻ラクシュミーの名がつくバジルもあり、ヒンディー語でトゥルシー 、英語でホーリーバジル 、和名で神目箒(かみめぼうき)と呼ばれるバジルには、葉が緑のラクシュミー・トゥルシー と、葉が紫のクリシュナ・トゥルシーがあります。
現代でも宗教用、医療用、精油の抽出を目的として広く栽培されています。


インドの法廷では宣誓を行うときにバジルが使われ、インド伝統医学アーユルヴェーダでも数千年にわたり、風邪、頭痛、胃の不調、炎症、心臓病、中毒症状、マラリアなどにバジルが処方されてきました。
抗菌作用があるのでスキンケア製品にも広く使用され、乾燥した葉は虫除けのため貯蔵用穀物に混ぜられます。


現代においてバジルは、全世界に広く普及し、誰もが一度は食べたことのあるハーブとなり、ジェノベーゼ、マルゲリータ、カプレーゼ等々、定番メニューになっているご家庭も多いと思います。


料理用ハーブとして世間に広く浸透したのは近代になってから。
中世の時代までは宗教的儀式に、また家庭用の医薬品として、あるいは芳香剤、虫よけタッジーマッジー(香りのある花束)や香り玉として活用されてきました。



王であり魔物


メドゥーサの首から滴り落ちた血から生まれた蛇の王バジリスク。
息にふくまれた毒で石をも砕く、ギリシャ神話の魔物・怪物です。
バジルの学名 basilicum は、王を意味するギリシャ語のバシレウスに由来するという説と、蛇の王バジリスクに由来するという2つの説があります。


中世ヨーロッパ時代にはふたつの石の間でバジルをつぶしてサソリを生み出す魔術師がいたとか、バジルの粉末を鼻から吸い込むと頭にサソリが湧くとか、あやしいうわさが煙のように広がった時期もありました。


一方ではバジルがよく育つ庭をもつと、豊作が約束され、愛する人をふりむかせることができ、かがやける未来が待っているとも考えられていました。
お客人には歓迎のあかしに、大切な人には愛情のしるしに、バジルを贈ることが習わしだった時代もあります。


植物学者ニコラス・カルペパー(17世紀)は、
「このハーブは敵をつくるか、恋人を得るか。ふたつにひとつ。中間は存在しない」と書き残したそうです。


✦ニコラス・カルペパーについてはこちらの記事にも紹介しています✦



時代の転換点


およそ2000年前、イエス・キリストの死と復活劇は、地球史における大きなターニング・ポイント(と、考えています)。


古代エジプトから、古代ローマ・ギリシャ時代を経て、神と人の分離作戦は完ぺきに遂行され、いまわたしたちが生きている時代は、もっとも昏い暗黒時代から夜明けを迎える時代に突入したのではないかな、と思っています。
その折り返し地点がイエス・キリスト復活劇だったのではないかしらん、と。



ヒンドゥー教の支柱となったマヌ法典には、ユガという4つの大きな時代の変遷が記されています。

・サティヤ・ユガ

徳が支配する時代。

人間の平均身長は21キュービット、平均寿命は400年になる。


・トレーター・ユガ 

徳が4分の3、罪が4分の1を占める。

人間の平均身長は14キュービット、平均寿命は300年になる。


・ドヴァーパラ・ユガ 

徳が2分の1、罪が2分の1を占める。

人間の平均身長は7キュービット、平均寿命は200年になる。


・カリ・ユガ 

徳が4分の1、罪が4分の3を占める。

人間の平均身長は3.5キュービット、平均寿命は100年になる。


ユガにおける1サイクルは24,000年


***

ウィキペディアより引用しました。

1キュービットは指先から肘までの長さ、約44.4センチです。


わたしたちの太陽は、ざっくり24,000年かけて円環しているという発想です。
地球でいうと1年に春夏秋冬があるように、太陽にも4つの季節みたいなものがあるんだよ、と。


別の知見では、ルドルフ・シュタイナーの「アカシャ年代記より」という本に、
地球は7つの転生期があり、土星期・太陽期・月期・地球期・木星期・金星期・ヴァルカン期という、7つの段階を経て進化してゆき、いまは地球期だよ、となっています。


どちらも大きな大きなめぐり・循環についての考察となりますから、肉体寿命のカウント発想に閉じこもってしまうと、なんのことやら?となりますが、とにもかくにもキリスト復活劇をターニング・ポイントにして夜明けに向かっているんだなぁと考えると、閉塞感のある現代社会に明るい光が射すようで、こころも元気になります。


キリスト復活劇を象徴するハーブとして、神聖さと庶民性、王性と魔性をかねそなえたバジルは、暗黒時代から夜明けの時代にまたがるエレメントをもつ特別なハーブだと感じています。


インドの人々がバジルを天国のパスポートと考えたのは、天界にむかう魂にその香気をまとわせることで、24,000年サイクルのもっとも昏い冬の時代が終わった喜びを知っている者同士、同調するエレメントが惹きあうから?と妄想しています。



広がりは無限大


シソ科メボウキ属は他の種や、おなじ種での頻繁な他家受粉で、あたらしい雑種がどんどん生まれてゆきます。
スイートバジル、学名 Ocimum basilicum からの交配、交雑種でも60種ほどが確認されていますが、新種はさらに増えつづけているので分類も追いつかないといった様相です。


ホーリーバジル
レモンバジル
ブッシュバジル
アニスバジル
シナモンバジル
クローブバジル
レタスリーフバジル
ダークオパールバジル などなど、


それぞれがバジルの香りにプラスアルファで、多種多様な香りと効能をもっています。
天国への道は多種多様、地球上どんな場所でも、どんな環境にも、パスポートは広がっています。



☆☆☆


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