aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

イネ科ハーブ

地球をつつむイネ科植物


イネ科植物は地球世界にひろく分布する穀草、牧草で、自然草原や林をつくり、芝生にも使用される植物界の大御所クラスターです。


イネ科は地表をおおう面積では世界一、陸地面積の40%ほどを占めると考えられているそうです。


イネ科ハーブ、芝


大地にひろがるイネ科植物は、動物やヒトが利用できるように、太陽エネルギーを変換する光の循環者たちともいえますし、太古の時代からいのちをつなぐ進化プロセスをくりかえし、森から抜けでて草原地帯をひろげ、その草をはむ草食動物を生みだしてきた、地球生物創造・進化の源でもあります。


草原や牧草地にみられるイネ科は総じて茎の生長点をうんと低くして、葉が動物たちに食べられても生きのこれるよう工夫しています。


イネ科植物が乾燥地帯にも生育場所をひろげていったことで、草食動物は豊富な食糧源をかくとくし、多様に進化をとげてきました。


ヒトもまた、イネ科植物の栽培で「蓄え」ができ、生活を安定させることができるようになりましたが、その反面労働時間がながくなり、あたらしい秩序や道徳、通念がうみだされました。


草食動物を養い、人類に高い生産性をもたらして農耕文明を立ちあげたイネ科植物は、地球の歴史におおきな転換点をもたらし、現代の食物連鎖をつくりあげた縁の下の力もちです。


総じて草とか雑草とよばれる野生種のイネ科には、ねこじゃらしでおなじみの えのころぐさや、雑草の代名詞みたいな めひしば、おひしば、背のたかい葦、茅、すすきのたぐい、芝生になるシバ属、お山をつつむ竹や笹、はとむぎの野生種じゅずだまなどもあります。


えのころぐさ

どこにでも自生する、えのころぐさやめひしばなど



イネ科は栽培種をふくめると世界中でおよそ780属、なかでも経済的植物のとうもろこし、小麦、米、大麦、きびなどの穀物はヒトの主食であり、家畜動物の飼料でもあり、現代社会ではヒトの食事エネルギーの半分くらいはイネ科植物でまかなっているといいます。


日用品や建築材料として活用されてきた竹や茅といったものから、バイオ燃料源(動物や植物から得られる有機性資源)として注目されているとうもろこしやさとうきびなど、イネ科植物の活躍はますます多岐にわたって未来社会にひろがってゆくのだろうと感じています。


イネ科は風によって結実する風媒花で、果実は穎果(えいか)、または穀果(こくか)、一般的には穀物とよばれ、ちいさくてたくさんのつらなりとなって実ります。


種子はひとつづつ包まれて自然裂開することなく、果皮につつまれたまま乾いて、さらに特殊な葉っぱで包まれるものもあります。


食用とされるさまざまな穎果

black corn、イネ、オオムギ、エンバク

モロコシ、トウモロコシ

アワ、コムギ、ライムギ、ライコムギ など


もみがらをとりのぞいて、かたく乾燥した果皮をむく(精穀)する技術を発達させた民族は、文明を築いて栄えることができました。


穀物は種なので、まけば芽が生えてきて数カ月もするとまた収穫でき、米一粒から生えた稲には、およそ1500粒が実るとききます。


日本で栽培されている稲の学名はOryza sativa(オリザ・サティバ)。


宮沢賢治がのこしてくれた創作物のなかに、オリザの名前がでてきます。

その年は、お日さまが春から変に白くて、いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木もまるで咲かず、五月になってもたびたび霙(みぞれ)がぐしゃぐしゃ降り、七月の末になってもいっこうに暑さが来ないために、去年播(ま)いた麦も粒の入らない白い穂しかできず、たいていの果物も、花が咲いただけで落ちてしまったのでした。


そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗の木は青いからのいがばかりでしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、一つぶもできませんでした。

野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。


青空文庫-宮沢賢治 グスコーブドリの伝記


日本国土には縄文時代(BC1000~BC300年ころ)に米が伝来したと考えられています。


縄文時代にも米栽培をする集団はいたそうで、後半はどんどんふえてゆき、ざっくりBC300年~3世紀に米栽培が定着した時期は弥生時代と命名され、農耕によって狩猟・採取による移動生活から定住生活が一般的になったとガッコウで習います。


弥生時代から栽培地のひろさで収穫量が変わることと、それまでの食料品とちがって傷むことなく大量に貯蔵できることで、食料をたくさん持つものと持たないもの、いわゆる貧富の差が生まれます。


農耕によって「時間とエネルギーをかけたものを収穫=貯蔵=自分の富」という観念が生まれたことで、こんどは富をうばいあう戦争のような観念も、どうじにうまれたといいます。


「農業のはじまりによって戦争が起こる」という学説があります。

農業が始まると、収穫した作物は個人のものとなります。

作物のできぐあいによって、個人個人の収穫量の差がうまれます。

これによって、財産を多く持つ人と財産が少ない人の違いが出てきます。

(日本の)縄文時代に戦争をした証拠は見つかっていません。

人骨に石のやじりが刺さったものが発見されていますが、これは全体の人骨の中ではごくわずかなもので「殺人事件」とも考えられます。

弥生時代は、本格的に農業を始めます。

弥生時代には、戦争をした証拠があります。

獣をとるためのやじりより大形のやじりを作ったり、敵の攻撃に備えて堀をめぐらせたムラの跡がみつかったりしています。


栃木県埋蔵文化財センター


穀物は植物界のなかでも血糖値を急上昇させる特徴をもっているので、狩猟や採集をしていた時代とは、ヒトの身体組成もおおきく変化してきたのだろうと思います。


雷さまを後ろ盾に、地球のグランドカバーとして繁栄してきたイネ科植物と歩調をあわせて築いてきた一時代は、数百年後、数千年後にふりかえるとき、いったいどんな社会的巨人(文化・文明・時代霊・大天使)を浮かびあがらせるのでしょうか。


イネ科植物には糖や香り成分をもつものもあり、さとうきびからは砂糖を生産でき、レモングラスやベチバー、パルマローザやシトロネラなど、精油をもつハーブは香辛料や香料の保留剤として活用されています。


衣食住をささえ音楽の一助となってきた種もあり、断熱材や紙の材料となったり、なにかとべんりな不織布になったり、木管楽器のリードとしても活用されています。


よくしなる竹製の足場は強風に耐えることで有名です。


湿地の水を浄化するはたらきが認められ、土地の保全や、埋め立てに使用されている種もあります。


芝生として利用されているイネ科植物は、あらゆるスポーツフィールドに欠かせないグランドをつくり、スポーツ産業を下支えしてきました。


過去記事に綴ったイネ科植物たちの記事はこちらです。


【ハーブ天然ものがたり】レモングラス|白木海月@Shield72°公式note


【ハーブ天然ものがたり】ハトムギ|白木海月@Shield72°公式note


【ハーブ天然ものがたり】笹|白木海月@Shield72°公式note


72候【花鳥風月】清明の候|白木海月@Shield72°公式note


【ハーブ天然ものがたり】すすき/尾花|白木海月@Shield72°公式note


【ハーブ天然ものがたり】さとうきび|白木海月@Shield72°公式note



白露の候、太陽は乙女座後半にはいります


乙女座でもっともあかるい α 星のスピカ(Spica)はギリシャ語で穀物の穂先を意味し、日本では麦穂星と訳した文献もあるそうです。


もとは尖ったものという意味でスパイク(Spike)の語源説とおなじです。


羽をもつヒト型の姿で描かれる乙女座ですが、そのモデルとなった女神はたくさんいます。


正義の女神ディケ(ホーライ3姉妹、BC700年ころ「神統記」)
星乙女アストライア(ホーライ3姉妹、ギリシャ神話)
大地と豊穣の女神デメテル(ギリシャ神話12柱神、穀物栽培を人に教えた)
豊穣の女神、玉座の守護神イシス(エジプト神話4柱神、「天上の聖母」「星の母」「海の母」ともよばれる)


ホーライ3姉妹


季節の正しい移り変わりを司る3柱のホーライと

人間社会の秩序を司る3柱のホーライ

雨を降らせ花を開花させ、果実を実らせる

季節の規則正しい巡りと自然の秩序を司る

天界と地上を結ぶ雲の門の番人

神々がオリュンポスから外出する際、天界の門の雲を掻き分ける


ホーライ3姉妹のひとりとされるディケやアストライアにまつわる神話で有名なのが、人と神がともにくらしていた時代から、神々が天界へと去ってゆく移行期の物語です。


人間が争いもなく平和に暮らしていた時代(黄金時代)は、神もまた地上で人間とともに暮らしていた。


しかし次第に人間たちには文明と欲が生まれ、争うようになったため、神は1人ずつ天に帰っていった。


最後まで地上に残ったディケーは人間に正義を教えていたが、人間が次第に悪心を持つようになると彼女も失望し、まずは山中に隠棲、それでも人倫の荒廃がとどまらないのを見ると最後には地を離れて自ら天に昇った。


後世には、おとめ座の隣にあるてんびん座を、彼女の持つ善悪を計る天秤であるとする話も付け加えられた。


ウィキペディアー乙女座


宇宙時代に突入した地球社会では、神々に愛想をつかされたとか見捨てられた人類というたてつけではなく、あたらしい解釈の神話が登場するかもしれません。


「宇宙のはじまりにあるエネルギーから分割され、創造降下した霊魂たちは、精妙なエネルギーと物質的なエネルギーをさらに分化しながら降下をくりかえし、地球という惑星に時間秩序と空間でしきられた固形成分のおおい社会を創造した」


「さいごまで創造降下に同行した上位エネルギーはホーライ3姉妹と呼ばれ、火から風、水、土の元素に分化して、のちにディケやアストライヤ、デメテルなどの神格と結びつけられた」


「分割魂はこれ以上降下できないところまで小さく分割され、地上世界という土元素界優位のフェイズを構築し、ホーライ3姉妹がさいごまでつなぎつづけた上位フェイズとのきざはしは、地表に生きる人類という種がひきついだ」
みたいに翻訳されていくのかな、と(得手勝手な想像です)。


ヒトのからだという小宇宙に対応する乙女座の器官は大腸で、からだにとりこんだ異物を消化したのち、いるものといらないものの最終的なよりわけ作業がおこなわれます。




大腸と表裏一体とされる臓器は肺臓で、季節は秋、色は白、五行では金、方角は西を象徴し、秋は肺臓の感受性がたかまる季節といわれています。


からだのなかで仕分け作業を緻密に綿密におこなう大腸も、一年の折りかえし地点である秋分の時節にむけて、最終的な選別を開始し、今年の集大成である「肉体という果実」の輪郭を決定づけるように、成分をよりわけているのではないかと。


乙女座成分のとくいワザである「観察する」「分別する」「輪郭を明確にする」「ラベリングして整理整頓する」ちからは、時間秩序と空間認識を固定するために地上降下した女神エネルギーから受けつがれたもの、とするならば、地の理を観察しつづけ、底の底に到達した時点で、こんどはモノやヒトの気配や印象、雰囲気を「排除しないで見る」方向へ、転換するちからとなってゆくのだろうな、と。


見ることは相互作用で、かなりの情報とエネルギーが交換されるものだと感じています。


誰かにじっとみられているとき、その視線にこめられたメッセージで元気になったり、気がめいったり、いろいろな気分が醸成されますが、成熟した乙女座成分をつかいこなせるようになると、エネルギーのより分け作業も朝飯まえ、同化するものと排泄するものをさくさく処理するのはかえっておもしろい、という具合になると思います。


視線は自分をみるときにも同じようなはたらきをしますが、自己同化が強いほどなんにでも自身を投影してしまい、誰を見ても、なにを見ても、「自身を語るに落ちる」的な言動がふえていくのだろうな、とも。


結実した果実は因果の「果」。


「因」の側にある印象や気配を整理できれば必然的に収穫物にも変化がおこります。


潜在意識へダイビングして、マインドマップなど描きながら、春夏のあいだは育てよ咲かせよと放任してきたぼうぼうの草を、野分でたおされみはらしがよくなる季節に乗じて整理整頓するのも、秋分まえのおたのしみのひとつ。


物質界の成立は四元素ぬきには語れません。


けれど四大精霊たちにも循環は必要で、シュタイナー曰く「四大精霊にも故郷はあり、人間界は通過点に過ぎない。春分、秋分は四大精霊にとって、故郷の精霊界にかえるとびらがひらく日だ」ということばが(どの本か忘れてしまいましたが)印象にのこっています。


循環、めぐりは活力の源。


地球をおおう魔法のじゅうたんのようにひろがったイネ科植物とおなじように、地表にひろがった人類が精霊たちの気配を「みる」ことによって、彼らの循環フローも活発になり、ホーライ3姉妹の分霊ともいえる四大精霊たちは、地上世界の固形物から解放されて、お里帰りできるように感じています。


物質や肉体は地の恵み、結実したお宝として現代脳で「見る」ことができる輪郭をもっていますが、エッジをさらに拡大して、感じる輪郭、匂う輪郭、聴こえる輪郭、温感輪郭なども視野に入れると、秋の収穫祭はよりいっそう楽しくなるのではないかな、と。


稲妻にのっておりてくる乙女座モデルとなった女神たちは、四大精霊をしたがえて、いまもむかしも人類のいちばんちかいところで、天地のきざはしが断たれないようにと植物たちのエーテルを紡ぎつづけているような気がします。


☆☆☆


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