aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

いらくさ/ネトル 負のオーラを跳ね飛ばす

卓越した栄養と特性


いらくさはイラクサ属の多年生ハーブです。
茎や葉に小さい針のようなトゲがあり
ゴム手がないと手摘みはできません。
日本では山菜として人気の高いハーブでもあります。

ネトル、イラクサ


トゲトゲの根元には、皮膚かぶれの原因となる成分があり
それが皮膚につくとジンマシンが出たりするので
いらくさの生薬名「蕁麻(ジンマ)」から
蕁麻疹という症状を表すことばが生まれました。


毒をもつ棘のあるハーブ、というとおっかないですが
日干しして乾燥させると薬草になります。
毒性とはいっても水溶性なので
ゴム手袋などを装備して摘んだ生葉は
20~30秒茹でれば美味しくいただけます。


ヨーロッパに自生するセイヨウイラクサは 
学名 Urtica dioica の方でネトルと呼ばれます。
料理やハーブティに広く活用され
スープの具材、グラタン、パイなど
ほうれん草のように野菜として使うことが多く
ネトル・ジャムも定番メニューのひとつです。
ネトル茶の名で市販されているものはセイヨウイラクサが多く
味は抹茶に似ているので、飲みやすいです。


毒針をもつハーブなんて
そんなリスキーな植物をわざわざ食べなくても...
と思われるかもしれませんが
刺だらけになったのはちゃんと理由があります。


ネトルの薬用効果はとても高く
体内の老廃物を排泄し血液浄化作用があるといわれています。
アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患や
痛風、前立腺肥大などの代謝性疾患を予防する
体質改善ハーブとして人気が高まりました。


ネトルはフラボノイドをはじめとして
クロロフィル、β-カロチン、ビタミンC、ケイ酸
カルシウム、カリウム、鉄などのミネラル
葉酸など、たくさんの有効成分が含有されています。


植物性食品に含まれる鉄は吸収しにくいといわれていますが
ネトルの場合ビタミンCが含まれているので
鉄の吸収率がよいと考えられています。


ケイ素は人の骨や歯、爪や髪などに存在していますが
コラーゲンやエラスチンといった、皮膚の結合組織にはたらきかけて
皮膚の構造を強化することでも知られています。
ネトルが爪や髪を丈夫にして、皮膚の傷あとを修復することは
植物美容学や植物皮膚学では周知のこととなりました。


ネトルがもつ豊富な栄養や特性を動物たちが見過ごすわけがありません。
もしも毒針をもっていなかったら
われ先にと食べられて、あっというまに絶滅してしまったかもしれません。
ネトルは卓越した栄養分と特性をもつハーブゆえに
毒針で身をまもれるよう進化してきました。



白鳥の王子


アンデルセン童話の「白鳥の王子」には
ネトル(いらくさ)が重要な魔法植物として登場します。


あらすじを要約すると

北国の王国に11人の王子と1人の王女をもつ

国王と王妃が幸せに暮らしていました。が、

王妃が亡くなり国王は再婚。

新しい王妃は11人の王子を白鳥に変えて追い出し

王女エリザを農家の養女に出します。


15歳になったエリザは、道で出会った老婆に

「冠をかぶった11羽の白鳥を見た」と教えられ

海岸で11羽の白鳥(兄王子たち)と再会します。


エリザが兄たちの魔法をときたいと祈りながら眠りにつくと

夢の中に仙女(フェアリー)があらわれ

いらくさを紡いだ糸で帷子(かたびら・単衣もの)を編んで

王子達に着せれば呪いがとける。

ただし編んでいるあいだ口をきいてはならない

さもないと王子達が死んでしまう、と教えてもらいます。

エリザはいらくさを集め、帷子を編みはじめます。


美しく成長したエリザに一目惚れした

他国の王と結婚したエリザは王妃となります。

王に隠れて帷子を編みつづけますが

その国の大僧正はエリザを魔女だと疑い

エリザが最後の1枚の帷子を編んでいる途中で

いらくさが尽きてしまい、墓地に草を取りに行った際

エリザは捕えられて火あぶりの刑を言い渡されます。


処刑場に向かう馬車で最後の帷子を編み続けるエリザ王妃。

民衆は気味悪がって帷子を引き裂こうとしますが

エリザは口をきけません。

そこへ11羽の白鳥がやってきてエリザをかばいます。

いよいよ処刑が行われる寸前に

ようやく11枚目の帷子ができあがり

白鳥たちに投げかけると呪いが解けて

白鳥は王子の姿に戻り、エリザへの魔女の疑いは晴れました。


野の白鳥 - Wikipedia より



いらくさ/ネトルからは、強靱な繊維を取ることができます。
アイヌの人々はエゾイラクサという大型のいらくさから繊維を取り
テタラペと呼ばれる服を作っていました。


イラクサ衣 | 国立民族学博物館
「イラクサの繊維を撚った糸で織った布で仕立てた衣服。
仕上がりが白いところからテタラペ(白いもの)とよばれる」


布をつくる植物といえば、亜麻やヘンプなど思いつきますが
ネトルも丈夫で耐久性のある植物性繊維として活用されてきました。
綿が登場し、次いで合成繊維が台頭して
ネトルは使われなくなりましたが
ヨーロッパでは第一次世界大戦中に
ドイツ軍が兵士の軍服にネトル生地を使用していたそうです。



着るものはエーテル体を表す


先進的な哲学者のルドルフ・シュタイナー(1861-1925年)は
洋服はその人のエーテル体(今風にいうとオーラかな)を表すといいました。
古代ローマ人の、ドレープがたっぷり盛り込まれた一枚布は
自身のオーラを表現するファッションだったといいます。


その後だんだんと、エーテル体もオーラも時代おくれの長物となり
肉体美を表現できる、からだにフィットしたファッションや
仕事ファースト、労働プライオリティの動きやすいものへ
変化してゆきました。


国によってさまざまですが、日本では絹(シルク)の織物は
繭のごとく身をまもる、結界衣装だったという説もあります。


毒針をもついらくさの植生は
まさにシールドのように身をまもる
捕食されるのを防いできた進化プロセスの賜物です。
白鳥の王子たちは、いらくさのシールド魔法によって
負の呪力、負のオーラを跳ね飛ばす力を得て
ほんらいの姿に戻ることができました。



☆☆☆


お読みくださりありがとうございました。
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