aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

火・風・水・土の精霊(元素とも)

「見る」「見られる」相互作用


過去記事で「見る」ことで生じる相互作用について書きました。




本日はハーブのことではありませんが、「見る」「見られる」相互作用について、もう少し深堀りしながら、四元素所感を綴ります。
といいますのも、今日から二十四節気七十二候では「白露の候」に入り、黄道十二宮をめぐる太陽は乙女座の後半に入るからです(正確にいうと、めぐっているのは地球の方です)。



例年、春分・秋分の日が近づくと、マインドマップで潜在意識を整理する恒例行事がはじまります。

白露の候


物的豊かさから精神的な豊かさへ。
スムーズにシフトするための工夫の一端です。


「見る」「観察する」「輪郭を明確にする」「ラベリングして整理整頓する」のは、乙女座の得意技。
前半の乙女座太陽は物的な輪郭にこだわりますが、
後半、白露の候から、目線をゆるめて、気配や印象、雰囲気を「排除しないで見る」方向へ転換するよう、後押ししてきます。


強風・暴風・十五夜お月さんと夜長の露が、合図になってるみたいに
春から夏のあいだ、育ちに育った森羅万象は、秋分の日を境にドリームタイムの準備に余念がありません。
朝もやが濃くなり、朝露がキラキラまぶしくなり、夕焼け空がまっかっかになり、ヒトも視線をゆるめるくらいでちょうどいい塩梅かと。



過去記事にも書きましたが、誰かにじっと見られているとき、その目線に込められたメッセージで元気になったり、気が滅入ったり、いろいろな気分が醸成されます。

ステキ、大好き、応援してるよーというメッセージ目線は、とうぜん元気もやる気も起こります。


失敗しないか、まちがえないか、だいじょうぶか?というメッセージ目線は、圧を感じてしまい萎縮することもあります。


キライ、どっかに消えろ、ムカつくわーというメッセージ目線は、アドレナリンを放出させて、逃げるか戦うか「闘争逃走本能」にスイッチが入ります。


さらに補足すると、感情をともなわない視線もいろいろあります。
焦点を肉体輪郭に合わせるか、肉体以上の気配を含めるかで、ずいぶんちがってくると思います。


肉体に焦点をあわせた視線は、
大小高低バランスや主観的な美醜基準でまさぐられる感じ
研究対象にされてるようで落ちつきません。
ますます肉体に閉じこもり、排他性、閉鎖性を強化してしまいます。


気配や印象をふくめた、絞りのゆるい視線は、
広がりや解放感の共有が自然と起こり
警戒心がゆるんで、のびのびできる感じがします。


視線は自分をみるときにも、同じようなはたらきをすると思います。
ただ自己同化が強いほど自身を見ることはむずかしく、他者への自己投影も激しくなると思います。
誰を見ても、なにを見ても、自身を語るに落ちる的な感じです。



潜在意識から意図(糸)を出す


潜在意識とは、自覚されていない意識のこと。


主に過去の経験などをもとに(無意識のうちに)蓄積された価値観・習慣・思い込みなどによって形成される。


潜在意識の「潜在」は「潜伏している(=密かに隠されており表立って確認できない)(が存在する)」ということ。


対義語は「顕在」。


潜在意識は意識全体の9割以上を占めるとされ、日常行動・ひらめきや直感、思考、非常時・緊急時の対応などの決定に影響していると言われる。


Weblio辞書より引用



潜在意識を整理するとき、もっぱら活用しているのはマインドマップです。
マインドマップ - Wikipedia


わたしも描くことを楽しめるよう、ペンはカラフルに用意しています。
用紙はA3以上のできるだけ大きな白紙で。


用紙の中心に描くのはコトバ、イラスト、写真を貼ることもあります。
そこから自由に連想するイメージをかきだしてゆきます。
手が止まらなければどんどん進めます。
手が止まりがちな時は「プレノート」にいったん切り替えます。


プレノートはA3のマス目ノートを使っています。
たとえばテーマが竜胆だったら、りんどう りんどう りんどうと書き続けて、あたまのなかを陣取っているリアリスト解説者と対話します。


「りんどう」というイメージを広げることにストップをかけているのはなんだろう?と、問いかける感じです。
そのうちに「りんどう」以外の言葉が浮かんできたら、そのまま書きだしてみます。
自分がなにを思っているのか、あるいはなにが思うことを阻んでいるのか、顕在意識にはとどいていない言葉を排泄します。



マインドマップはハーブやアロマの勉強をするときにも重宝しました。
一度マップに落とし込むと、そのハーブと縁が結ばれる感じで、いままで気がつかなかった事象が目にとまることが多々あります。


たとえばローズヒップのマインドマップを作ったあとで、いつも通る道ばたの生け垣にハマナスの花を見つけたり、バッチフラワーレメディのひとつ、ゲンチアナのマップを作ったあとで、野生種のりんどうをみかけて小躍りしたり。


学術的な知見を暗記するだけではなく、自身の天幕にお招きして潜在意識につなげると、暗記という無味無乾燥な苦行が楽しい縁結びに変わります。



因はつながり、果は個体


マップづくりなどで潜在意識にダイブすることは、自他のあいだにある因果を、自然と整理することにもつながるな、と思っています。


周囲にある個体存在は、かつてすべては火だった。

すべては火から生じた。

石も、水の流れも霧も、すべてが火だった。

火のなかに生きている元素たちは、やがて土、水、風に閉じこめられた。

周囲のすべては四元素によって存在している。


周囲にある個体存在は、かつてすべてが液体であった。

すべての液体は、かつて気体だった。

気体は火から煙となって生じた。

そのような濃縮プロセスには四元素の封じ込めが伴う。


ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)


りんどうの花をじっと見つめます。
花弁が何枚とか、葉が対生に生えているんだなとか、研究・分析の目ではなく、その周囲にただよう気配や雰囲気をまるごと見る感じで。


はじめは花という物質的存在の抵抗感のようなものがあり、視線を跳ねかえしてくる感じがあります。


見ることでつながろうとするこちらの意図(糸)は受入れません、という
きっぱりした閉鎖性のようなものが、花の美しさをより際立たせているんだな、と感じることもあります。


それでもめげずに「気配まるごと」見続けていると、やがて意識の共感というか、共有というか、同化することを許してくれる瞬間が訪れます。


それは、花に閉じこめられた四元素と自分のあいだに相互作用が起きて、四元素交換が可能になる通路ができることなのかな、と思っています。


物質界の成立は四元素ぬきには語れません。
けれど四元素にも循環は必要で、シュタイナー曰く
「四元素にも故郷はあり、人間界は通過点に過ぎない。
春分、秋分は四元素にとって、故郷の元素界に帰るとびらが開く日だ」と。



循環、めぐりは活力の源。
物質や肉体はたしかに地の恵み、結実したお宝ですが、見える輪郭を拡大して、感じる輪郭、匂う輪郭、聴こえる輪郭、温感輪郭なども視野に入れると、秋のお宝さがしがより一層楽しくなると感じています。




☆☆☆



お読みくださりありがとうございました。
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