ふきのとう
根びらき
ふきはキク科フキ属の多年草で、日本原産種。
1月20日から大寒の候に入り、ふきのとうが雪の下から顔を出すころだよと、24節気72候の花鳥風月に抜擢されています。
ふきは日本全国どこにでも自生し、先陣きって沢や斜面にびっしりと芽吹きます。
湿り気のある土壌を好み、葉より先に花茎が地表に顔を出すので蕗の薹(ふきのとう)と呼ばれるようになり、早春の山菜としてよく知られています。
薹(とう)は葉がつかない茎のことをいいますが、北海道の雪どけのころはふきのとうが芽を出す場所だけ、ぽこんと雪がなくなり、こども心にフシギだなぁと思っていました。
それはふきのとうが雪を溶かしてしまう植物に見えたからだと思います。
(じっさい春のさきがけ植物はみなそうなんですが)
大人になってからは根びらきといって、木の根元から雪がとけていくことを理解したので、フシギ現象ではなくなりましたが、小さいころ目にしたインパクトは相当なものだったようで、ふきのとうにはなんとなく一目置いています。
「根びらき」のこと雪のないエリアの方のためにちょっとだけ補足します。
木は地下水を吸い上げ、その水は外の空気よりも温かいので、木の幹の周りの温度が高くなります。
白い雪は太陽光を反射し、黒に近い樹木は太陽光によって温められるので、幹の周りの雪がいち早くとけて土が見える、という春を告げる現象です。
ほかの山菜とちがって、ふきは春先の新芽だけではなく、成長とともに長い期間楽しむことができる食材です。
砂糖醤油で甘辛く煮込んだきゃらぶきは日本の伝統食でもあり保存食、アク抜きして下茹でした後に、水なしで上手に煮詰められるようになるまで、私の場合けっこう練習が必要でした。
北の大地ではラワンブキやアキタブキが多く自生しており、腎臓のカタチをした葉は、1メートル越えの巨大なものがわんさか繁ります。
ふきは日本原産種で古くから野菜として庶民に愛されてきた日本ハーブのひとつ。
夏には根を掘り出して天日乾燥したものが蜂闘菜(ほうとうさい)と呼ばれる生薬になります。
民間療法では去痰作用、鎮咳作用があるとして、呼吸器系に親和し気管支の炎症を鎮めて、粘液の分泌を促すといわれています。
生の茎葉をしぼった汁は解毒効果があり、虫刺されに使用してきました。
二十四節気七十二候 大寒の候(2023年は1月20日~2月3日)
款冬華(ふきのとうはなさく)-雪の下からふきのとうが顔をだすころ
水沢腹堅(さわみずこおりつめる)-沢に厚い氷が張りつめるころ
鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)-鶏が鳥屋に入って卵を産み始めるころ
冬の土用
大寒から次の立春までの15日間は、ちょうど冬の土用期間でもあります。
外気温がマイナスになる地域はとくに、おうちの中と外の温度差が10度以上になることもざらにあり、からだは10度以上の気温差を感じると自然と食欲がわくようにできているといいます。
厳しい寒さや冬眠にそなえて動物たちが食べものをあちこちに隠したりせっせと食べたりするのと同じ現象が、ヒトのからだにもおこるわけです。
冬眠しない人間にとって、過食で摂りすぎた栄養は胃腸障害を引き起こす原因にもなり、夏は汗をかいて酸を捨てられますが、寒さを無事にのりこえるために蓄えられてきた酸は、この時期ピークに達して胃酸を濃くし消化機能を高めるので、なぜかどんどん食べられるし、食べてもすぐにお腹がすいてしまうというケースは珍しくない、とのことです。
土用と呼ばれる時期は年に4回、立春、立夏、立秋、立冬まえの14日間程度で、脾臓が季節の変わり目を察知してミネラル分の多い食事を要求するといわれています。
ミネラルを十分受けとったと脾臓が満足できるまでは、まだ足りん!という勢いで食べたい欲求を発動させるのだとか。
五臓を元気にするという五菜「にんにく、ネギ、ニラ、しょうが、エシャロット(らっきょうか、島ラッキョウでも)」をスープやお粥、鍋のお出汁にするとか、それ以外のハーブやスパイスなどふんだんに取り入れるレシピのカレーやブイヨンなども、内臓の満足度が高く少量で脾臓OKが出るといいます。
寒い季節は腎臓も冷気に刺激されてよくはたらきますが、腎機能が疲れてくると「これ以上はムリ!」と強制的にからだを休めるために、最終手段「ぎっくり腰作戦」を遂行してSOSを出す説もあります。
ご参考までにわが家の「お手軽即効冷えとり作戦」をいくつかご紹介させて頂きます。
1.「耳をさわって温める」
耳を刺激すると腎の血流が良くなり、全身の血行が促進されて末端もあたたまり、頭蓋骨内の圧も下がって気力が充実します。
2.「膝を温める」
利尿が悪いときは膝に温湿布など(手あてでも可)するとすぐに目の周囲がゆるむのを感じられるかと思います。
膝のお皿は泌尿器系機能とつながっているとされ、利尿が悪いときは眼圧も上がって目が固くこわばりシバシバします。乾燥対策しても目の疲れがとれないときは膝小僧を温めます。
3.「保存食づくり」
ひと冬を十分に越せるほどの漬物をはじめとする保存食づくりは心理的な安心感をもたらすので寒さで興奮する腎の恐怖心を和らげる一助になります。
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お読みくださりありがとうございました。
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