aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

クローバー・詰草

しあわせのクローバー


「クローバー」というタイトルの物語、店舗や商品名、歌やグループ名はとても多いです。


都市にも田舎にも、どこにでも自生して、いつもどおりの日常に、とけこむように繁殖してゆきます。


クローバー



東の海街にも、北の牧草地にも、温暖な農園や、都会の公園、川べりにも、クローバーは常設カーペットみたいに横たわり、小さい子には首飾りの材料となり、若い恋人たちには四つ葉さがしのダンジョンとなり、ピクニックでごろ寝するのにちょうどいいふかふか大地を提供してくれます。


四つ葉のクローバーをみつけると、いくつになってもうれしいものですし、デザインも家具から日用品まで、あらゆるカテゴリーで使用されています。


国や民族を問わず、ひろく愛されてきた植物なんだなぁと感じます。


クローバーはマメ科シャジクソウ属(車軸草属)、和名を詰草(つめくさ)といい、ヨーロッパ原産の帰化植物です。


白い花を咲かせるものは白詰草(しろつめくさ)、ピンクの花は紫詰草(むらさきつめくさ)、または赤詰草(あかつめくさ)などありますが、一般的にクローバーというときは白詰草をさすことが多いようです。


和名の白詰草は、江戸時代にオランダから輸入されたガラス製品などの緩衝材として、乾燥したクローバーを使用していたことから、クローバー全体を「詰草」と呼んだのがはじまりです。


明治以降、あらためて牧草として日本に入ってきた詰草は、ほふく性の茎を地表にくまなく広げるしのび寄りの達人で、あっというまに日本全国にひろがったといいます。


ウィキには1938年の文献に「日本國中至る處」繁殖していると記載があり、食用になる地上部はたんぱく質、ミネラルがおおく、イネ科の牧草とまぜて家畜に使用されてきました。


クローバーはちみつは世界でもっとも生産量がおおく、白詰草はポピュラーな蜜源植物でもあります。


小さいころは紫詰草の花穂をちぎっては根元の蜜をちゅうちゅう吸っていましたっけ。



人にとっても白詰草の葉は食用になり、花は体質改善薬、解熱剤、鎮痛剤として用いられてきた歴史があります。


やわらかい若葉と花をさっと茹でて水にさらせば下準備OK、汁もの、あえもの、炒めもの、なんでも使える灰汁のすくない食材になり、摘みたての花は焼酎につけるとクローバー酒になります。


クローバーはマメ科なので、ほんのりコクがあります。


わたしはクローバーをつかった調理は酢の物にばかりしていましたが、クックパッドにレシピいろいろのっていてたいへん便利になりました。


(野草摘み草するときは経験者サポートつきをおすすめします)



植物が育つには窒素、リン酸、カリウムが必須、葉を大きくするのに窒素、花や実を結実するのにリン酸、根を大きくするのはカリウム。


クローバーは菌の作用で窒素を固定させ、大地の力を向上させる植物として緑肥になります。


緑肥は腐敗させることなく、青々と茂っているそのままの植物を畑に漉き込む方法です。


緑肥になる植物は、ひまわり、燕麦、レンゲ、クローバー、マリーゴールド、ライムギなどいろいろあるそうです。



白詰草の種小名 repens は、ほふく性のという意味で、地を這うように地面をおおってゆくので、四つ葉のクローバーをみつけたときは、茎をたどると遺伝的つながりのある葉がでやすく、シアワセシンボルをもういっこ、みつけやすいという裏技があるそうです。




神殺しの棍棒


牧歌的で平和を絵にかいたようなクローバーから、突如物騒な見出しになりましたが、クローバーの語源はラテン語の clava (棍棒)が由来です。


またシャジクソウ(車軸草)属を学名表記にすると、Trifolium(トリフォリウム)属となり、トリは3、フォリウムは葉っぱを意味します。


3つの小葉をもつのが由来でトランプのクラブとなり、クラブはタロットカードの小アルカナでは棒(ワンド)です。


棒(ワンド)はマインクラフトでもその重要性が示されたとおり、家をつくったり松明をつくったり武器や塀など、地上生活の滑りだしをサバイブする必須ツールです。


棒(ワンド)がなければ一夜をのりきることさえできません。


生きるための原始的な力を意味します。


数字の3+棒とくれば、3つのこぶをもつ棍棒をエモノとして携えていたギリシャ神話の英雄ヘラクレス。



3つのこぶつき棍棒を、どかんどかんとふるいながら、半神半人のヘラクレスは、新旧とりまぜていろんな神々(怪物)をなぎたおし、地球という箱庭づくりの地ならしをしていったのでは、と妄想しています。


棍棒にとりつけた3つのこぶは、火と風と水を象徴し、ふりおろされるごとに土元素界は地表に定着して、固定・不動という概念が実装化されていったのではないかな、と。


ヘラクレス12の功業から、神々との戦いを彷彿とさせる冒険譚をかいつまんでみると、


1.ネメアの獅子退治⇒獅子座に。


2.水蛇ヒュドラ退治⇒うみへび座に。
  このときヒュドラのともだち巨大な化け蟹をふみつぶす⇒蟹座に。


3.ケリュネイアの金角鹿を生け捕り⇒女神アルテミスの聖獣に。


4.大猪を生け捕り⇒このとき武術の師であるケイローンに毒矢を射ってしまいケイローンは射手座に。


5.青銅のくちばしをもつ怪鳥を退治。


6.クレタ島の怪物牛ミノタウロスの父牛をアルゴスまで連行。


7.人食い馬を生け捕り、持ち主だった軍神アレスの息子ディオメデスを馬に食わせる。


8.冥界の番人、ケルベロスを生け捕り地上に引きずり出す。
 (余談ですが、そのよだれでトリカブトが生まれたとか)


9.メデューサの孫から紅い牛の群れをうばう。
  この冒険譚では太陽神ヘリオスに矢を射って金の杯を授かり、帰路では登るのがたいへんだからと山脈を棍棒で叩きわってジブラルタル海峡をつくったとか⇒ヘラクレスの柱。



10.へスぺリデスの黄金の林檎をうばい、まもっていた竜・ラドンを退治⇒りゅう座に。


へスぺリデスの黄金の林檎とヒュドラ、ラドンについては


【ハーブ天然ものがたり】梨|白木海月@Shield72°公式note|note 

にも綴っています。



ネメア王国とネメアの獅子は、


【ハーブ天然ものがたり】パセリ|白木海月@Shield72°公式note|note


【ハーブ天然ものがたり】エーデルワイス|白木海月@Shield72°公式note|note

にも綴っています。



ヘラクレスは12の功業以外にも、有名な冒険譚に登場しては、腕っぷしのつよさを刻印してゆきます。


新旧ふくめていろんな神々に挑み、なぎたおしては地上の地盤を固め、逆に退治された怪物たちは地上要素から解放されて、液状(水)になり大気(風)になり、精妙なエーテル(火)へと昇華してお星さまになりました、と。


ドラゴン、ペガサス、ケイローン、ネメアの獅子やデイダラボッチ。


地上世界で役割を終えたものたちが天界に昇るたび、彼らが守っていた民族魂も一緒に昇華して、地球次元から消えていったのだろうと妄想しています。


ヘラクレスの最期は、自らも星座へと昇華し、ヘラクレス座となりました。



クラブ(棍棒)からクローバーへ。


平和で牧歌的な植物とはあまりにかけはなれた印象がありますが、クラブをぶん回してヘラクレス成分多めのクローバーやタイムをひろげていったとするならば、忍び足で地面を這うようにほふくして、いつのまにか地表をおおいつくしたハーブたちは、怪物と称される古い神々が地球に降臨できないようセットされた結界、あるいは緩衝剤のような植物なのかもしれません。


地球と異界を分けたヘラクレスの功業は「ヘラクレスの柱」というメタファーに隠されているのかもしれないな、と。


【ハーブ天然ものがたり】タイム|白木海月@Shield72°公式note|note

ヘラクレスについての所感は、こちらの記事にも綴っています。



クローバーの芝地は安心感をもたらし、怪物や魔物とは無縁の、ごく一般的な人間らしいくらしを保証してくれる象徴のようだと感じます。


日常生活のすみずみを自分好みに豊かにしつらえ、身近にあるものを慈しむこころが自然とわきおこり、あらためて手にしているものに関心がむいていく。


クローバーを冠する物語や商品には、そんなメッセージがこめられているものが多いなぁ、とも。


ふかふかのクローバーじゅうたんにからだを投げだして、春らんまんの花鳥風月につつまれると、あたまもこころも芯からくつろいで、うつらうつらと春眠にいざなわれ、からだといういちばん身近なもちものに、あらためて焦点をあわせる機会もふえるように思います。


ちょうど日本はこれからGW大型連休もありますから、社会的ペルソナをぬぎすてて、ほんらいの自分らしい立ち方、歩き方、話し方、感情の発現など、自己のプレゼンス・チャンネルにチューニングするにはもってこいの季節です。


おりよく自然界は千紫万紅、美しいものにはことかきませんし、春眠暁を覚えず、現世と夢世のはざまでとろりとろりと過ごすあいだに、あたまもこころも、からだのなかも、調整はすすんでいくように思います。


山や大地に浸透した滋養たっぷりの雨が、あふれるように川をくだり、お里に流れていくように、からだという「ふもと」に流れくるエネルギーが集約されて、資質開花スイッチを押してゆく。


みてみぬふりを決めこんでいると、ふいなる棍棒がふりおろされて、なさけ容赦なく巨大な山(信念体系)を砕かれることもありますが、それは大海につうじる門となり、才能や資質が百花繚乱する場所にみちびかれる前兆、というケースも多々あると思います。


山ほどある三つ葉の草原から、四つ葉のクローバーをみつけるくらい、生まれもった資質や才能を自分でみつけるのはむずかしいものですし、ようやくみつけたとしても、現代社会の「みんな同じでみんないい」システムのなかで、四つ葉資質を生かすのは至難のワザといえるでしょう。


ところで「生まれもった才能や資質」って、いったいどこからきたのでしょう?


からだの特徴や、基本的な感情、思考の建てつけは、血統を土台にして地球環境にはぐくまれるとして、遺伝的特性におさまらない、生まれるまえからもちこしてきたような資質は、どこでどんなふうに受けついできたものなのだろうか、と。


ホリスティックな階層構造という体系を、絶賛探求中の個人的所感としては、ヒトは遺伝的情報をうけつぐ器を継承しつつ、銀河にきらめくの星々の系譜を、精妙なエネルギー体のなかにうけつぐものではあるまいかと、想像ゆたかにふくらませています。


星の系譜にまでひろげて描きだす地図のなかに、「生まれもった=脈々とうけついできた」資質の源泉をみつけだすことができたなら、そこでようやくこころのそこから安堵して、「ただいま」っていえるのかもしれないと感じています。


それは四つ葉どころか、五つ葉や六つ葉、七つ葉のクローバーをみつけるような、まさしく夢のような発見ではありますが、可能性ゼロではありません。


実際に、五つ葉、六つ葉、七つ葉、八つ葉なども例は少ないながら確認されている。


ウィキペディア-シロツメクサ


「生まれもった資質、才能」をみつけるのに要領よく近道する方法はないし、素早くみつけるコツも、確実にみつかるという保証もないけれど、みつけられるのは「探すのをやめなかった人」だけです。


星の系譜を含めた地図づくりは、牛歩のあゆみで着々と、夢見世界の体験を反芻しながら、着実につみあげていくしかないんだなぁと感じています。


☆☆☆


お読みくださりありがとうございました。
こちらにもぜひ遊びにきてください。
ハーブのちから、自然の恵み。
ローズマリーから生まれたナチュラル・スキンケア
Shield72°公式ホームページ


ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア、Shield72°

ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア、Shield72°

ローズマリーから生まれたナチュラルスキンケア、Shield72°

Shield72°オーガニックアロマ100% ローズマリーから生まれた自然派化粧品シールド72°
https://shield72.raku-uru.jp/