aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

せり 寒の内から美味しいハーブ

芹の葉がひらくころ


小寒の候に入り、陽気でうごきはじめた地中の清水を最初に受けとり
芽吹かせる日本原産のハーブ、芹。


春の七草のなかで芹はとても身近な食材として、スーパーで買うことができます。
学名 Oenanthe javanica 、
日本原産のセリ科セリ属の多年草です。

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少し田舎にいくと田んぼの横にある用水路や湿り気のある土壌で、野生種の芹をよく見かけます。
あたたかい地域では一年をとおして繁殖しています。
競せり合うように生えてくる植生から、セリという名がつきました。


芹は早春から摘んで食べることができますが、いちばんおいしい時期は春の深まったころで、少し赤らんだ茎(アントシアニンを含む)が四方に伸びたものを「タゼリ」と呼んで、セリハンターの方々は狙い摘みします。


それ以外の芹は「ミズゼリ」と呼んでいます。
タゼリのころは、香り成分がいちばん含まれる時期なので、特別うまいと評価されてきたのだと思います。


「万葉集(753年)」に野草の芹を摘んで食べていたことがわかる歌がのこされています。
栽培種としての一番古い記録は、平安時代の「延喜式(927年)」で、
「芹を植えうる。一反五斛二月植う」とあります。


日本では芹を煮て食べると、神経痛やリウマチに効果があると伝承されてきました。
香り成分には健胃、食欲増進、解熱作用があるといわれています。


芹に含まれる水分は約90%、お鍋に入れるとあっというまにカサが減ってしまいますが、食物繊維が豊富で、β-カロテン、ビタミンB1・B2・C、カルシウム、ビタミンK、葉酸、カリウム、鉄、銅などの栄養素をバランスよく含んでいます。


セリ科の植物はハーブと呼ばれる種にとても多いです。
種類も多く、滋養成分が豊富で、香りもさまざまです。


好みの分かれるパクチー(種たねはコリアンダー)、カレーのマスト・スパイスになるクミン、過去記事でご紹介した大天使ミカエルのハーブ、アンジェリカ(西洋当帰、和名・当帰)や、フェンネル、パセリ。


そのほかにもディル、キャラウェイ、チャービル、アニス、セロリ、ミツバなど少しクセ嗜好の方にはたまらん風味のオンパレードです。


セリはもっぱら葉を食べる野菜として定着していますが、マクロビオティック食事法を普及する団体に数年お世話になった時期があり、そのとき芹の根を天ぷらや酢の物にして食べるレシピを教わり、いまもできるだけ美味しそうな根がついた芹を選んで購入しています。


セリ科には、春のころには芹と見分けがつきにくい猛毒をもつドクゼリも自生するので、にわか摘みは控えた方が安全です。


芹にしてみれば、あっという間に食べられて絶滅しないよう、色々と工夫してきたのだろうと思います。



寒の内入り、寒九かんくの水と七草魔法


小寒の候、今年は1月6日からです。


芹乃栄(せりすなわちさかう)-冷たい流水で芹が葉をひらく

水泉動(せんすいあたたかをふくむ)-地中に陽気が生じ泉が湧き出す

雉始雊(きじはじめてなく)-雄が雌を求めて鳴きはじめる


小寒から大寒のおよそ1か月間を「寒の内」といって、この時期の水は腐らないと伝えられ、古人は薬として飲んでいました。


とくに寒の入りから九日目の水は「寒九かんくの水」と呼ばれ特別な効能があると信じられています。


寒さはきびしいながらも、冬至が過ぎてから陽の気がふえてくるこの時期は、土のなかの水に陽気が生じ、清水がうごきだし、地表にあらわれるという花鳥風月を七十二候にあてはめています。


春の七草はおかゆとして食べましょうということで、セット品になった七草が市場に出回ります。

「芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろ、これぞ七種」




七草粥をいただく日は、七草を浸した水に爪をつけ、指先を柔らかくしてから爪を切る七草爪という風習も伝えられています。


七草の原点は、年の初めに雪のあいだから芽を出した草を摘む「若菜摘み」がもとになったと伝えられています。


寒の内に入った地中の妙薬ともいえる清水を含み、年明けたはじめての子(ね)の日に摘みにいき、食べる前夜にまな板にのせて、はやし歌を歌いながら包丁で叩き、つぎの朝には粥にする、と。


遊び心に満ちた、魔法の匂いがプンプンする行事だったのだなぁと感じます。


小寒の候(1月6日)から寒の内入りなので、それを区切りと数えるならば今年2023年のはじめての子(ね)の日はちょうど1月6日その日にあたります。


冬の土用に入るのは1月17日、次の日の18日は2度目の子日になります。


スーパーで七草を買ってきて、まな板にのせて自分流のライフソングを歌いつつ包丁でたたき、ラップして寒いところ(なければ冷蔵庫)へ置いておき、夜のうちに御霊(元気玉)が付くように願かけします。


1月7日の朝に粥用と指先浸し水に分け、魔力に浸された7つの草を身の内に取りこむのは口から、そして邪気を身の内から放出するのは指先から。


遊び心をもって七草とふれあうのもまた楽しいと思います。


☆☆☆


お読みくださりありがとうございました。
こちらにもぜひ遊びにきてください。
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