aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

橘  常世の妙薬

橘寺のご縁


橘(たちばな)は別名をヤマトタチバナ、ニッポンタチバナといいます。
日本文化を形成してきた植物のひとつ、といっても過言ではないほど
歴史ある日本固有の柑橘類。
学名は Citrus tachibana です。

橘


奈良、明日香村の 橘寺 を訪ねたのは10年ほどまえのこと。
まずは 三輪山 | 大神神社(おおみわじんじゃ) を参詣し
箸墓古墳 に立ち寄り
最終日に明日香村を散策するというコースで
当時は札幌に住んでいましたが
ナニカにとり憑かれたようにこのコースを旅しており
2年間のあいだに友人たちと2回、さらに家人と、一人旅でと
また出張の合間にちょこっと立ち寄りも入れると
計6回ほど訪れた地です。


橘寺という名は、垂仁(すいにん)天皇の勅命により
常世の国に不老不死の果物を取りにいった
田道間守(たぢまもり)がもちかえった橘を植えたことに由来します。



だれしも人生折々に、引き寄せられる土地
というものがあると思います。
わたしも当時は、橘寺のかもしだす雰囲気に
どうにも説明のつかない「なにか」を感じて
それを知りたいがために、なんども足を運んでいました。


橘寺のある場所(付近)は、聖徳太子の生誕された場所という説があります。
橘寺といえば有名な、善悪二層の二面石と
聖徳太子の愛馬だった、黒駒の像が印象に残ります。
黒駒は、達磨大師の化身説があり、空駆ける馬だったとか。


橘寺

黒駒の像をぼんやり眺め
その輪郭に滲む「なにか」を吸い込んでしまうと
その夜は決まって夢の内容がダイナミックな展開になり
どちらが現実だっけ??と、翌朝フワフワしていました。


夢のなかの息づかいとか、匂いとか
湿り気や、逆に乾いた感じとか
夢世界で体験したこと、目にした花鳥風月が
あまりにリアルで、夢日記を書くようになったのはこの頃からです。

2012年9月21日(秋分の日)の夢日記から


入り口のドアからまっすぐに人が入ってくる。

全体にトリコロールカラーの服、目深に帽子をかぶっている。

手はポケットに、背は小さい。

こどもかな、いや...海の人かな?

いや…誰だろう?

まっすぐ、ちゅうちょなく入ってくる。ちゅうちょなく


かの地に植えてある橘の木をフラッグサインに
天平文化が栄えたシルクロードの終着点
奈良の地をうろうろと徘徊していた当時は
常世の国は黄泉の国のことだと思っていました。


夢のなかのトリコロールカラーの人を
なぜだか海の人、と思っていたことが気にかかり
常世とはなんぞや?と好奇心がわき起こり
能を見にいったり、折口信夫の本をはじめて購入したのもこの頃です


常世 - Wikipedia

  

「常夜」と記した場合は、常に夜の世界であり、常夜という表記の意味から、死者の国や黄泉の国とも同一視される場合もある。ただし、折口信夫の論文『妣が国へ・常世へ』(1920年に発表)以降、特に「常世」と言った場合、海の彼方・または海中にあるとされる理想郷であり、マレビトの来訪によって富や知識、命や長寿や不老不死がもたらされる『異郷』であると定義されている。


橘を縁にして、夢にあらわれたトリコロールカラーの人は
海の人、常世の国からのマレビトなのかもしれないな
なんてことを思いはじめて
海の人に名前を付けて、その気配をマインドマップに整理しました。
また夢のなかで会えたとき、気がつけるように。



夢日記


日本書紀と古事記にそれぞれ、田道間守の逸話が収載されています。
橘の実は、非時香菓(ときじくのかくのみ)と呼ばれ
日本書紀には「橘というはこれなり」と記載があるので
常世の国から持ちかえった不老不死の果実は
橘のことだろう、という説は根強く伝承されてきました。


ときじく(非時)は、時間に左右されないこと
かくのみ(香菓)は、香りよい、輝く木の実で
光輝く橘は常世から現れ、現世の時間軸に左右されず
永遠の太陽のように長寿と幸運をもたらすと考えられていたようです。


田道間守はお菓子の神様、柑橘・蜜柑の神様として
中嶋神社 (兵庫県)にお祀りされているほか
和歌山県海南市の 橘本神社 にも主祭神としてお祀りされています。



奈良の地に引き寄せられていたころは
橘は日本の固有種で、野生種は激減しているくらいの知識しかなかったのですが
ひな壇に飾られる、右の橘・左の桜は
幼少期の思い出とともに強く印象にのこっていました。
橘といえば右、みたいな感じです。


強い記憶や印象は、夢でなにかを受けとるとき
メッセージとして利用されやすいというのも
この10年で体験してきました。


2012年10月22日の夢日記


海の人はもう来ないと言う、人型の3人組。

トリコロールが3人に分かれたのかなと思っている。

パイシス、タリウス、ジャスミンと名乗る。

わたしが勝手に名付けたのかも?

タリウスが今後指導してくれるらしい。

「着物」「ぬいもの」「森」がキーワードだというので

もっとわかるように教えてといったら長座で座らされる。

座ると床は川だった。

左の流れは浅くて明るい、左足に赤い靴下。

右の流れは暗くて深い、右足に黒い靴下。

右の川は底の見えない、冷たい感じ。


右は発信と行動力、活動力を示し
左は受信と受容力、包容力を示す、と考えていたことから
行動力、発信する側が未発達なので
もっと育成しよう、というメッセージかなと思いました。
底なしに暗く冷たい川床は、当時わたしが抱いていた地上生活そのもの、という気もします。


それでも地上生活にもっとコミットできるよう
なにかを始めようと考え、和裁を習いはじめました。
すると万葉集や和歌のお話を伺う機会がふえて
森や自然散策で目に入ってくる植物の見え方にも変化がありました。
着物の柄には花や植物が多いので
アロマやハーブの勉強とはまたちがった視点で
植物とふれあうことも増えていきました。


行動力、発信力、活動力の育成は
1本1本の木が屹立して「立つ」ことで森ができ
1本1本の糸が連なる布を「断つ」ことから着物ができる。


右の力が真っ暗闇でグダグダだよ、と教えてくれたのが
右の橘、非時香菓(ときじくのかくのみ)だったのかしらん、と
いまのところ、ふわっと結論付けていますが
この10年で学んだこと、ご縁のあった人、こと、ものは
人生を大きく変える影響をもたらしてくれたと感じています。


自分自身で立つこと、そして
断つことも、教えてくれたような気がします。



右の橘、左の桜


イザナギ、イザナミ2神の国生み神話から
黄泉の国ものがたりで「見るなの禁」を破ったイザナギは
禊によってたくさんの神々を生み出します。
イザナギ神の創造降下による分裂、分化によって
左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノオと、3貴神も登場します。


「筑紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門の阿波岐原」


イザナギの禊が行われた地を表す祝詞には
橘があったと記されています。


内から外にひろがる創造行為の場には橘が立ち
「咲く」「裂け」「坂」の、常世と現世のはざまを意味する
左の桜は受容と包容力の象徴。


創造降下のきざはしは右の橘
統合上昇のきざはしは左の桜


日本文化を形成してきた2大巨頭(巨樹?)は
ミカンとソメイヨシノに姿を変じて
今も日本文化の底支えとなっています。



室町時代から江戸時代に人気のあった 御伽草子 のなかに
鉢かづき というおとぎ話があります、
鉢をかぶった姫さまの、日本版シンデレラのようなお話です。


お話のなかで鉢かぶり姫は「春は花、夏は橘、秋は菊」と歌い
橘は、日本の夏を代表する植物だったことが窺い知れます。



☆☆☆



お読みくださりありがとうございました。
こちらにもぜひ遊びにきてください。
「ハーブのちから、自然の恵み。ローズマリーから生まれた自然派コスメ」
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