aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

藍 ジャパンブルー

スペシャリストの藍色


日本の伝統色に藍色があります。
世界ではジャパンブルーと称される、藍色(インディゴブルー)。


和色のルーツは植物が多く、植物名がそのまま色を表すことばになることも多々あります。



青色 種類


藍色の語源となったのは植物の藍(アイ)。
タデ科の植物で、アイタデ、タデアイとも呼ばれます。


日本の藍染めは奈良時代からつづく歴史があり
藍で染めた生地は丈夫になり
・防虫効果
・抗菌効果
・消臭効果
・耐火性
などが加味され、色合いの美しさも人気を博し
室町時代から庶民に広く愛用されるようになりました。


江戸のころは木綿染料として奨励産業となり
湿気にさらされる浴用品、浴衣や手ぬぐい、風呂敷はもちろん
江戸の火消し半てんなど、はばひろく使用されてきました。


室町時代には甲冑の下着に
近代では日本国有鉄道の蒸気機関車乗員の制服に採用されてきました。



藍色を颯爽と着こなす人は
その道のスペシャリスト、専門家という雰囲気を醸します。
腕のいい職人、さばさばした気風のいい姉さん
ふだんは寡黙だけれど、口をひらけば歯に衣着せぬものいい
愛想がいいとは言えないけれど
真っ正直で1本スジの通った誠実さが滲み出て
信頼できる、頼りになる大人、という感じでしょうか。


藍



インディゴブルー


青い海を想起させる藍色は、インディゴブルーとも呼ばれます。
植物から得られる色素のインディゴが、そのまま呼び名になりました。


江戸のころ浮世絵の青色材として使用されていましたが
後期になってベロ藍という合成染料が輸入され
またたくまの選手交代劇で、日本の藍文化は衰退の一途へ。


有名な歌川広重の東海道五十三次や
葛飾北斎の富嶽三十六景につかわれた藍は
ベロ藍で描かれたそうです。


そんな時代背景のなか、戦争中も種を守りつつ
藍づくりを続けてきた阿波の国(徳島)では
現代も藍染文化の伝統が生き続けています。



最近ではナチュラル志向にシフトした人も増え
藍をはじめとする天然染料も
少しづつ見直されるようになっています。


インディゴを生み出す植物は
・タデアイ(タデ科)
・インド藍(マメ科)
・ナンバンコマツナギ (マメ科、熱帯アメリカ原産)
・琉球藍 (キツネノマゴ科)
・ホソバタイセイ(ウォード、woad 、アブラナ科)
などが有名です。



藍の葉は薬用植物としても有用です。
日本では解熱、解毒、抗炎症薬として用いられてきた歴史があります。


前ローマ時代のブリテン島先住民だったケルト系民族は
ホソバタイセイ(ウォード)から得られるインディゴ・ブルーで
傷を負ったとき、あるいは予防のための止血薬として
顔やからだを青く染め上げ、傷を癒すのに使用していました。


ウィキペディアより

「2022年には、タデ藍(青森県産の『あおもり藍』)の葉から抽出したエキスが、新型コロナウイルスの細胞への侵入を防ぐ働きを持つことが、東北医科薬科大学、富山大学、近畿大学、神戸大学の共同研究チームにより発見され、2月10日にギリシャの国際的学術誌に論文が掲載された。」



青・蒼・碧・藍


青は空色、昼の空。
太陽光に抱かれた、水と空気を映す色。


蒼は宵口、草の色。
紫がかった青灰色。夜明けまえの海の色。


碧は輝く、光る玉。
ラピスラズリやサファイアの、深く輝く光る色。


藍はすべての青の色。
青がむらがる群青に、紺を混ぜたアズライト(藍銅鉱・らんどうこう)
すべての青があつまって、織りなす青はアイの色。



いろんな青がありますが、藍色はうすい空色から濃ゆい紺色まで
すべてを混ぜた青の代表のような色だと感じます。


青は光の3原色(赤、緑、青)のなかでは波長が短い、逃げてゆく光です。




過去記事ハイビスカスものがたりにも、光の3原色について所感を綴っています。


『青く鎮まる静かで落ちついた声色に、短い波長は取りこぼしのないように耳を立てて聴いてしまうから、集中を持続させるなぁ』




伽藍洞(がらんどう)


大聖堂ということばからは、荘厳で聖なる建物というイメージが浮かびます。
いっぽうアジア圏の聖堂といえば、藍の字をつかう伽藍(がらん)です。
伽藍は僧侶が集まり修行する、清らかな場所のことで
サンスクリット語が由来です。



がらんどう、というと一般的には広々として殺風景で
なんにもない空間を表すことばになります。
さみしいこころ、空虚感を表すときにもつかわれますが
静寂さや静謐さを好むか好まざるかによって
がらんどうの意味合いも変わってくるように思います。


空色は明るく、だれの上にも等しく在る天蓋ですが
藍色は、空をつきぬけた大気の向こう、宇宙に近づくときの色です。



すべての青を飲みこんだ、アイ染布の服を身にまとい
伽藍でひとりしずかに瞑想を楽しめるようになったら
青い空をつきぬけたその向こう側へ
手が届くのかもしれません。



☆☆☆



お読みくださりありがとうございました。
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