スギナ・つくし 植物界の老賢者
生きている化石
スギナ・つくしはトクサ科トクサ属のシダ植物です。
スギナはトクサの仲間では一番ちいさな種で
3億年以上にわたって地球上で種属をつないできた、生きている化石です。
トクサ科植物は石炭紀(おおよそ3億5920万年前~2億9900万年前)から存在していたそうです。
砥草(トクサ)も最近では、坪庭や生垣などでよく目にするようになりました。
モダンなデザインが映えるということで、人気が出てきているそうです。
たしかに3億年以上、種をつないできた植物らしく、害虫の心配も少なくて育てやすい感じがします。
生きた化石を戴きます
帽子をかぶった小人みたいな「つくしんぼう」
茎の節にあるハカマの少ない子を選んで(ハカマとりが面倒なのでw)摘み草し
たっぷりのお湯に酢と塩を入れてさっと茹でれば下準備完了です。
酢醤油、切り胡麻をまぶして酢のものに。
お出汁のきいたお吸い物に。
苦味が気になる人は茶碗蒸しや炒り卵にするとまろやかになります。
悠久の地球史を生きてきた叡智にあやかる、春のごちそうです。
スギナも若芽を摘んで米のとぎ汁と塩少々で茹で
30分ほど水にさらせばアク抜もばっちりです。
細かく刻んで酢の物にしたり、甘辛味噌で炒めてもよし。
全草を天日干しにして、から煎りすると香りが立ち
自家製スギナ茶がかんたんにつくれます。
長期間や、一度に大量摂取をせず、つくし同様年一くらいで戴くのがちょうどよいです。
生薬の問荊(もんけい)はスギナのことで、利尿、去痰作用があり
肝炎、膀胱炎、浮腫(むくみ)、皮膚のかぶれ、咳によいとされています。
スギナには収れん作用があるので、スギナ茶を冷ましてフェイスパックや冷湿布などすると、皮膚のかぶれやあせもに役立つと思います。
ヨーロッパの民間療法ではスギナのハーブバスが、アトピー性皮膚炎や、漆かぶれなどを和らげる効果があるとして活用されています。
長いこと勘違いしてました
スギナは栄養茎
つくしは胞子茎
つくしはスギナより先に地上に顔を出し、胞子を散布します。
ハーブを学ぶ以前は、つくしが成長するとスギナになる、と思いこんでいたのですが、実はぜんぜんちがって、つくしとスギナは地下根茎でつながって別々に芽吹きます。
つくしが仕事を終えて枯れるころ、スギナがでてきて光合成を行います。
シダ植物なので種はつくらず、つくしが散布する胞子で増えますが
根の生命力がとても強く、細かくちぎれてもすぐに再生して
縦横無尽に地中で根茎を伸ばし広がってゆきます。
10cmほどの根茎から、半年後には10メートルほどの根茎になった観察記録があるそうです。
畑などでは除草対象になりますが、耕すほどにちぎれた根茎は地中に潜ってちりばめられ、分布が拡大する。
根が複雑にひろがり地中深くもぐりこむので地獄草とも呼ばれています。
植物界の老賢者
トクサの仲間をはじめとして、シダ植物は陸上での繁栄をものにした植物界の知恵者たち。土元素、土の精霊を身の内にすこしづつ宿しながら、共存を試みた先達です。
「いまの環境条件がつづく限り生育できる」程度のスパンでは
3億年の年月を生き延びることはできません。
気温や湿度、陽の光、土壌のpHなど、生きるための条件のふり幅は広ければ広いほどスパンも長くなります。
そして地に深く降りるほどに、天のきざはし(エーテル成分の梯子)が途切れないよう
工夫も必要になるんだろうと思います。
スギナ・つくしは茎が空洞なのを思うと、土元素界に深く入り込むからには、やはり風元素の通り道が必要だったのではないかしらん。
土と水元素のみ、つまり目で見て手で触れるもの以外は、思考の枠から追い出しがちな現代人にとって、もし3億年前からの系譜が明確な家系があるとしたら?
魔法使いか宇宙人、錬金術師か陰陽師?
神話元型でいうところの人知を超えた知恵者、老賢者といったところでしょうか。
元型/アーキタイプは、カール・グスタフ・ユングの心理学でよくつかわれる概念ですが、眠ったときの夢や、その人独自の象徴活動を生み出す源と考えられています。
神話元型は集合意識で共有される象徴、時代によって(流布される神話や物語によって)変化してゆきます。
個人の意識を形づくる6つのアーキタイプ
・ペルソナ(自我、エゴとも)
意識の中心、個人の認識の主体
・シャドウ
意識に近い層で作用する、自我の補完作用
肯定的な影と否定的な影がある
・アニムスとアニマ
アニムスは行動、積極性、理性、男性元型
アニマは受容的、生命、感受性、女性元型
・太母と老賢者
太母はすべてを受容し包容する大地の母としての生命的原理
老賢者は天の理としての理性的な智慧の原理
6人の元型が基本的な意識の型をつくり、そのときどきの印象活動をきめる。
と、わたしは考えているので、ハーブに親しむときにも、つい元型はなにかな?と考えてしまいます。
太古の叡智を脈々と受け継ぎながら、現在も繁栄しているスギナ・つくしをはじめとするシダ植物は、地の理をつかさどる太母と、天の理をつかさどる老賢者による大傑作のひとつなのではないかな、と。
ヒトの介入もなく、手入れも管理も必要とせず、地球の大規模な環境変化をのりこえて、3億年以上まえから種のいのちをつないできたことを想うと、あまりの壮大さに気が遠くなり、スギナ・つくしには、やっぱり天のはからいが、まんま宿っているのではないかしら、と思ってしまいます。
老賢者の杖がコツコツと大地に触れるたび、根茎が地中に根づいてきたような、壮大な物語があったのではなかろうか、と。
神話に出てくる、みんな知ってる登場人物(あるいは動物など)には、ほかにも
永遠の少年
永遠の少女
英雄
トリックスター
などの元型があり、古代ギリシャ・ローマ時代に流布され、定着したヘラクレス的英雄元型は、今まさに次世代へのバトンタッチが進行中、と感じています。
Z世代が社会をうごかす、20~30年後には、あたらしいヒーロー像もだんだん見えてくるのかな?
☆☆☆
お読みくださりありがとうございました。
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