aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

ジュニパー 水精アテンダント

ジンの香り


地球上の樹木のなかでもっとも広い分布域をもつヒノキ科。
ジュニパーは和名セイヨウネズ、ヒノキ科ビャクシン属の針葉樹です。
英語でジュニパーベリー(Juniper berry)といって、小さな実に香り成分が入っています。

ジュニパー


ジュニパーといえばジンの香り。
カクテルならマティーニです。


手作り化粧品を愛用していた30代~40代のころは、化粧水のベースにボンベイサファイアをよく使っていました。
アルコール度数が高く、香りがよいので、精油を足さなくてもすっきり爽やかな化粧水やトニックをつくれます。
ただ手づくりなので、日持ちがせず、保湿力がいまいちでしたが…。

ボンベイサファイアの手づくり化粧水

・ボンベイサファイア15ml

・精製水75ml

・植物性のグリセリン10ml

材料をよく混ぜればできあがりです。

無水エタノールにハーブを1日ほど浸してつくるハーブチンキ同様、空気清浄やマスク消毒スプレーにもなります。
ボンベイサファイアにはジュニパーの香りだけじゃなく、
・アーモンド
・レモンピール(レモンの皮)
・スペインカンゾウ(甘草の一種、リコリス)
・オリスルート(ニオイアヤメ)
・セイヨウトウキ(アンゼリカ)
・コリアンダー(葉っぱがパクチーと呼ばれるハーブ)
・シナニッケイ(カシア)
・ヒッチョウカ(長コショウ)
・マニゲット(ギニアショウガ)
がブレンドされていて、深みのある香りが楽しめます。



ジンはもちろん飲んでもおいしいですが、洋酒を飲むのが苦手なわたしは、ビールに少しジンを垂らして香りづけする飲み方が好みです。



ジンの香りで腎をととのえる


BC3,000年前の先史時代、スイスの湖畔にある住居跡からジュニパーベリーの遺物が発見されています。
古代ギリシャでは伝染病対策に、チベットでも疫病対策に使用されてきた記録がのこっています。
ネイティブ・アメリカンはジュニパーを神聖な儀式に使ってきました。
中世のころは万能薬として考えられ、ジュニパーベリーをつぶしたものをお風呂に入れたハーブバスが、とくに気管支炎に良いと推奨されていました。
フランスの病院では長い間、ローズマリーとジュニパーを焚いて、空気を浄化してきました。


ジュニパーは腎臓に働きかける精油として、アロマテラピーでは体内の水をうごかし、めぐりをよくする効能が注目されています。
からだの不要な粘液をとかし、毒素排泄することから、殺菌作用はもちろんですが、利尿作用は特に注目され、リンパの流れをよくするためのジュニパー精油をつかったオイル・トリートメントは、アロマ・サロンなどでも王道メニューとなっています。
からだを温めて活性化するので、慢性疲労時や手足の冷え、腰痛やむくみのファースト・チョイスでもあります。



温かさとほんのりした甘さ、ピリリと刺激のある樹々の香りがマリアージュされた独特の芳香を聞くと、チベット人やネイティブ・アメリカンの人々が神聖な儀式につかってきたのが頷けます。
邪を払い、心のわだかまりをとかして、意志の力を強化するハーブ、という伝承そのままに、ほんとうに望む道、天意と良知がまじわるところを探すのに役立つハーブなんだな、と。
腎気がととのうと意志力が強化されるとは、中医学の発想でもあります。



天意が宿る水の意志


旧約聖書には預言者エリヤが疲れきって、ジュニパーの木のもとで眠ったという記述があります。
「預言者」というと神の代理人のような感じで、現代人にとっては想像すらむずかしい職業(?)ですが、全体の2~3%しか機能していないという現代脳で精いっぱい紐解くならば、「アルケミスト」パウロ・コエーリョ著に出てくる少年のような感じかな、と想像します。


「人が本当になにかを望むとき、全宇宙が協力して、夢を実現するのを助けるのだ」


アルケミストを読んだとき一番印象に残ったセリフです。
若いうちは特に「夢や望み」ってシャボン玉のようにフワフワと浮かんでくるものですが、それをほんとうに自分が望んでいるのかどうかは、実際にチャレンジしてみないと分からない未熟者でしたから、失敗も挫折もどっさり経験することができました。


ジュニパーの香り


腎気がととのい、体内の水がバランスよくめぐるとき、決心も決断も水の流れるごとく、さらさら動いてゆく。


人のからだは水袋といったのは、野口体操の創始者、野口三千三先生。
あたまで考えること、こころで感じること、からだで実践すること。
3つが揃いぶみするって、なかなかむずかしいですが、からだは一番おもたくて、たとえば毎日英会話の勉強を10分つづける!とか、ヨガを30分する!とか、頭で考え、こころが同意しても、からだがついていくのを拒んで、なにかと理由をつけて三日坊主で終わってしまうことってよくあります。


からだが人生を推進することに協力的になってくれるためにも、60%ほどを占める水に宿る意志力、水の精霊たちを導くジュニパーの力をお借りして、エンジン始動するのもよいかな、と思います。


ジュニパー精油の注意事項

長期間使用はNGです。腎臓を過度に刺激してしまう可能性があります。

腎臓に重い障害がある、からだ内部に炎症があるときも避けた方がよいです。

通経剤になるので、妊娠しているときも避けた方がよいです。



☆☆☆




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