aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

よもぎ/蓬 ハーブの女王

よく燃える草


おやつを買うなら草餅か、よもぎ団子、わが家の定番ラインです。
おもち以外にも、よもぎ茶、新芽の天ぷら、おひたしにお吸い物、炒め物など、つかい勝手のよい食材にもなるハーブ。
もちろん食べるだけではありません、もぐさ、よもぎ蒸し、よもぎ風呂と、日本人にとって身近なハーブのひとつです。
よもぎは在来種もありますが原産は中央アジアの乾燥地帯といわれています。

よもぎ


名前の由来には
勝手にどんどん繁殖して、四方によく広がる四方草(よもぎ)
春によく萌える草だから善萌草(よもぎ)
葉を覆う産毛がよく燃えるので善燃草(よもぎ)
などの説があります。


キク科ヨモギ属は土地の環境に適応し、姿かたち、香気成分、薬効となる成分をちょっとづつ変えてしまうので、エリアごとにたくさんの品種があります。
日本国内ではカズサヨモギ、オオヨモギ、ニシヨモギ、カワラヨモギなどが代表的です。



一般的には、春に若芽を摘んで餅に入れることからモチグサ(餅草)と呼ぶ地域もあります。
初春の若芽は特にそうですが、銀白色の産毛にもっさりとおおわれています。
細かな白い毛は、ヨモギが乾燥地帯でも生きてゆけるよう、貴重な水を保持するためのものと考えられており、毛にはロウが含まれ、水分を逃がさないしくみになっています。


もともとは、色や香りを楽しむというより、毛が粘りをだすのに向いているという理由で、餅に混ぜられるようになったそうです。
お灸に使うもぐさ(艾)は、葉の裏側にある綿毛を採取したもので、ロウ成分効果によって時間をかけてゆっくりと燃えることができるというわけです。



燃えるつながりで、百人一首に、燃えるような恋の炎を、よもぎにかけて詠んだ歌があります。


「かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを」
私の燃えるような思いは、まるで伊吹山のさしも草が燃えるよう
それほどの想いを、あなたは知る由もないでしょうけれど


さしも(それほどにも)、さしも草(よもぎ)で、韻を踏んでるのがカッコイイですw



西洋ヨモギ、マグワートとワームウッド


ヨモギの学名 Artemisia 属は、ギリシャ神話の女神アルテミスに由来しています。
アルテミスは女性の健康を守護する女神として神話に登場します。
ハーブの女王と呼ばれるのは、多くの薬効があることもそうですが、女神の名前をもつハーブであることが大きいのかな、と。


ワームウッドは和名でいうとニガヨモギのことで、古くから健胃薬、また虫よけとして用いられていた記述が残っています。


ニガヨモギといえばかの有名な緑の魔酒・アブサンですが、
ニガヨモギ&アニス&ウイキョウという、サラマンダー的ハーブたちを主役にしていることや、アルコール度数が70%前後と大変高いので、そのまま飲んでいた昔の人々はそうとうの呑み助だったんだろうな、と。

✦サラマンダー的ハーブの所感は昨日の記事にも✦


アブサンの流行は、時代背景もあると思いますが、香気成分のツヨンで、超絶ハイになるのがくせになったのかしらん、とも。


後年飲みやすくしようと流行したスタイル、角砂糖にアブサン垂らして燃やす的な飲み方は、映画でよく見る光景ですが、ほんとうに火をつけてしまうとハーブの香りが半減して、もったいなくない?と勝手に思ったりしています。
白ワインにニガヨモギなどを浸けた、チンザノ・ベルモットのほうが、香りを楽しめそうだなぁと。



マグワートはオウシュウヨモギ。
北欧神話が色濃くのこる、10世紀頃のイギリスの医学書に「九つの薬草の呪文」という治療方法が記されています。
そのひとつに Mucgwyrt という記載があり、これはマグワートだろうと推測されています。
「神がもたらした第1の薬草、もっとも古い薬草」という呪文つきです。


9つの聖なる薬草は、北欧神話のオーディン(ヴォータン)が、蛇的な魔物を打ち払ったときに9つに分かれて、それぞれに薬草の加護をもたらしたという神話がもとになっています。



知見を広げるヒントがいっぱい


現代の占星学第1人者であり、先進的な哲学者でもある松村先生 https://www.tora.ne.jp/
の最新雑記から、蛇やドラゴンに象徴されるものは、地上化(分割)される前の集合意識のことで、地球をぐるり巡る月の軌道のことなのかな、と考えるようになりました。


月の軌道から分離して、地上に降りてきたのが誕生日。
月の軌道に集合体として乗り込んだのが誕生日前の日食。
広域で多角的な視点をもたらしてくれる松村先生のメモは、思いもしなかったヒントが満載で、どんなエンタメよりも面白いと感じています。



ヨモギは中世ヨーロッパでは、魔除けのハーブとして、また旅行者の疲労回復や、動物を避けるために使われていました。
ローマの兵士たちは、マグワートをサンダルに入れて疲労回復したとも。


わが家のベランダハーブが育ちすぎた時には、洗濯ネットに入れて枕にしていましたが、サンダル作戦を知ってから足首の下において眠るのがくせになりました。



☆☆☆



お読みくださりありがとうございました。
こちらにもゼヒ遊びに来てください。
オーガニックアロマ100%のスキンケアシリーズ
Shield72° 公式ホームページ