aroma72 ハーブ天然ものがたり

魔術から化粧品、厨房から医薬まで。ハーブ今昔、天然もの、所感まじり。

わさび

わさびイニシエーション


わさびならではの辛味成分、鼻につんとぬける独特の風味は、体験したことがない人に説明するのにほねがおれる感覚です。


わさび


鼻のみならず目も耳も、頭部全域をわさびマジックで屹立させ、つんとしたのちスキッとする身体感覚は、半眠していた細胞たちをいっせいにめざめさせるような衝撃が、脳内をかけめぐるおとなへの通過儀礼。


わさびイニシエーションを発動させる成分は、防腐・抗菌にすぐれている、というのはよくしられるところです。


さらには胃がん細胞の増殖をおさえ、神経細胞をふくめた全身の細胞を再生するちからによって、脳やからだへのさまざまな効力を発揮する可能性について研究がすすんでいるそうで、独特な風味には、やはり独特なはたらきがあるのだろうと、個人的に注目しているハーブのひとつでもあります。


わさびがもたらす体感は、舌がもとめるというよりからだ全体でもとめてしまう魅惑の風味(所感ですw)。


全細胞がぴょんとはねおきて、いっせいにうごめきだす即効力は、ハーブマジックの真骨頂と感じています。


すりおろしたばかりのわさび風味を損なうことなく、おてがるに味わえるつめたいお蕎麦は、わさびが主役でお蕎麦をつけあわせに、という感覚で、わさび風味をたのしむためにいただくことも少なくありません。


辛いとはいっても身のうちが燃えるように熱くなるカプサイシン(唐辛子など)の辛みとはちがって、わさびの場合つーんときた瞬間からだの中心にいっぽんスジがとおって、あたまのてっぺんをつきぬけていくような、爽快感と清々しさがある辛味と感じています。


日本原産のわさびは、すでに高級食材となっている感もありますが、日本の国土だからこそ生みだされたとくべつなハーブということもあり、日本の土地神さま成分100%でできているのでは、と妄想しています。


市場独占や流通コントロールなど(と考えるのは下世話なことで、ないことを願います)を優先せずに、国内の生産者や流通するかたがたへの支援を優先して、日本純国産のわさびがたくさん市場にでまわるようになるといいなぁと思っています。



水の申し子


日本原産の固有種、わさび は学名 Wasabia japonica という表記もありますが、現在では Wasabia 属は独立属ではないと学術的に整理され、 Eutrema japonicum となっています。


英名で wasabi 、漢字では山葵と表記しますが、平安時代の「本草和名(日本最古の薬草事典)」には、和佐比と記されています。


日本最古のわさび記録は、飛鳥時代の遺跡(奈良県明日香村)から、「委佐俾三升(わさびさんしょう)」と書かれた木簡(文字のかかれた木のふだ)が出土されています。


およそ1400年以上まえから薬草として、日本人の生活をたすけてくれた(と考えられている)和ハーブ・わさびは、平安時代には地方税としておさめられ、鎌倉時代には武将から日蓮聖人のお祝いギフトにえらばれ、安土桃山時代には千利休が茶の湯の席でおろしたてのわさびをふるまい、江戸時代には献上されたわさびをいたく気にいった徳川家康が、とうじ栽培がさかんだった静岡県の有東木うとうぎから、その栽培法を門外不出として庇護したといいます。(ひとり占めした、ともいいます)



葵の文字を無理やりあてて、わさびを山葵としたのは江戸幕府が栽培法を独占したあたりなのでは、と思いますが、はっきりとした説はのこっていません。


ワサビの葉が徳川家 家紋の「葵」に通じることから、江戸幕府の庇護を受けることとなった。

一方で門外不出の扱いとなり、その栽培技術を他地区に広げることは禁じられた。

寿司、蕎麦の普及につれて、広く一般に普及・浸透していった。

古くは自生のものを採取・利用していたが、江戸時代に有東木地区に住む村人が野生のワサビを栽培したのが、栽培普及の端緒と伝えられる。


ウィキペディア-ワサビ


わさびには根から地上部まで、全草にかおりと辛味があります。


冷たく清浄な水がふんだんにある渓流や湿地に自生する野生種は、現代ではかなりレアものになっているらしく、みつけたとしても他感作用(アレロパシー、毒をだして他の植物の育成を阻む)によって自らの根の成長をおさえてしまうので、根っこは食用にむいていないとされ、野草ハンターの方々は地上部の葉茎を摘み草すると聞きました。


葉わさび、花わさびの旬の時期やレシピはネット上に散見しているので割愛します。


昨今「わさび菜」とよばれる栽培種も、スーパーで購入することができますが、わさび菜はからし菜を改良してつくられた葉野菜です。


生食もできるしおいしいけれど「わさび」の葉っぱではありません。


冷涼な水をふんだんに必要とするわさびは、畑で栽培される野菜というカテゴリーから一線を画しているような気がします。


地球の土壌、土元素界には着地せず、水元素界までしか降りられない物質的密度がひくい存在たちによって育まれている、水の申し子なのではないか、と妄想しております。


じっさい畑で栽培されるわさびは数年たつと病気になりやすいと聞いたことがあります。


畑ワサビは栽培から収穫までを畑で行うもので、水ワサビと異なり、温度と湿度管理が整えばどこでも栽培することが可能である。

しかし、株分けによる栽培を続けると数年で「退化現象」と呼ばれるウイルス感染に伴う成長障害や不稔、白さび病、うどんこ病が生じ、衰退する。


ウィキペディア-ワサビ


水わさびの栽培には水の温度や陽あたり加減につねに気配りが必要で、水温9-16℃の清浄な水をたっぷり、つよい日光にさらされないよう工夫が必要なのだそうです。


肥料もいらないし手間もかからないけれど、とにかくきれいで冷涼な水がたくさんにある場所に限定される、ということを考えると、日本のような深山幽谷がたくさんある土地柄と相性がよかったのではないかと。


火元素はひかえめに、風元素はたっぷりと、水元素はさらに潤沢に、土元素はかくし味ていどに、四大精霊界から手練れのフェアリーたちが選抜され、匠のワザをかけあわせ、お山一帯に魔法をかけて誕生した、精霊たちの傑作ハーブなのだろう、と妄想はつづきます。


水わさびとよばれる栽培種は、湧き水などが豊富な土地で、わさび田に階段のような落差をつけて、上の方からきれいな水を流しつづける方法で、根に毒がつかないようにして根茎を成長させます。


いまのような学術見解がなかった時代でも、ちゃんと根を成長させるしくみをあみだした古人の感性に脱帽します。




わさびのすりおろす道具ですが「金氣をきらう」俗説には妙に得心がいくところもあり、わが家では陶器のおろし器をつかっています。


わさびとおなじように金氣・鉄と相性がわるいハーブの代表にセージがあります。


古代ローマではセージの刈り入れを特別な儀式とともに行っていました。

神聖なハーブの刈り入れは、鉄製の道具を使わず、刈り取ったセージは鉄の道具といっしょにしてはいけないというしきたりがありました。


【ハーブ天然ものがたり】セージ|白木海月@Shield72°公式note


占星学では12サインと天体・感受点などを地上的なモノ・ヒト・コトの象徴として整理します。


鉄は火星と関連づけられ、軍神、攻撃心、闘争力、競争力、武器や戦争、事故や暴力などの象徴グループのひとつです。


簡易な説明で火星象徴ってこわいとカンちがいされないよう補足しますが、火星のちからは他者(社会)との共同でなにかをなしとげるときに必要不可欠と思っています。


火星力を獲得しないまま社会のなかに放りこまれると、外部からの圧力に勝てず不条理な要求にもYESとこたえるしかありません。


火星力を抑圧したままだと相手につたわるような怒りかたも表現できないので、NOといいたい感情は歪曲されて、やっかいな事象をひきよせてしまう、ということもおこり得ます。


物質的な密度がたかくなるほど、固形物の強靭さはましてゆき、個VS個の摩擦やぶつかりあいは熾烈なものになってゆきます。


物質密度のたかい地球で生きていくには、火星力を獲得して、つかうことになれてゆく練習はたいせつなことだと感じます。


喧嘩なれしているカモメは引き際を知っているけれど、喧嘩なれしていないハトはどちらかが死ぬまでけんかを止められない、というたとえ話もあります。


石器時代、青銅器時代を経て、BC15世紀あたりから鉄器時代がはじまったとされる地球史では、鉄はもっぱら武器の材料となり、血なまぐさい印象を刻印されてきました。


鉄の掟、鉄壁の防御、鉄人、鉄の女、鉄のカーテンなど、不動のつよさとちからを誇示する比喩もたくさんあります。


そんな鉄だから、妖精たちにとっては忌避するものと伝承され、現代小説やゲーム設定には、鉄と魔法的なものとの相性のわるさは鉄板ネタとして使われます。


そんな鉄ですが、ヒトにとっては血液中で各器官に酸素をはこぶヘモグロビンをつくる成分なので、なくてはならないたいせつな材料でもあります。


地球にとっても鉄は重要な構成要素で、地球を地球たらしめている元素のひとつです。


元素生活


上記写真は「元素生活」寄藤文平 化学同人
地殻を構成する元素、鉄は約5%をしめる
地球を構成する元素、鉄は約35%をしめる とあります。


ちなみにですが、人体にながれる血液は体重のおよそ13分の1(8%)
鉄分は体内に約3gを保持し、そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分です。



鉄と相性がわるいといわれるわさびは、この世界が天地明快に分かたれる原初のころ、「地盤をかためるには不要」として吐きだされた霊的存在たちが、土元素界と袂を分かち、それでも地球とのつながりを失わないよう、土にはふれず(ふれられず)、水を媒介として育成した足場なのかもしれないと妄想はさらにつづいております。


「遺された黒板絵」シュタイナー

かつて地球は巨大な獣でした。


その大きさからいうと、かなり怠惰で、ただゆっくりと宇宙空間の中で、軸のまわりを回転していました。


しかしこの獣は、よく動く眼だけの存在である竜鳥を通して、宇宙空間を見ていました。


そして私がお話した火を食べたりすることは、人間の胃や腸の働きと非常によく似ています。


そして竜鳥は、脳細胞に非常によく似ています。


現在の地球は、死んだ獣なのです。


「遺された黒板絵」ルドルフ・シュタイナー 筑紫書房


「死んだ獣」とはつまり、生命体といわれるエーテル体からきりはなされた存在ということで、物質的な密度がたかい領域のことを表現しているのではないかな、と。


鉄成分を生命システムの一部として活用している地球と、肉体をもつわたしたち人類は、火星に象徴される鉄をはじめとしたモノゴトのあつかい方に習熟し、コントロールできるよう、鉄火場のなかをサイバイブしている真っ最中ともいえます。


鉄火場の渦中でわれを見失い、金とさえ聞けば鉄の火も握りかねる性分が暴走しそうなとき(あるいはたたかうことを放棄して下位の受容性に甘んじてしまうときも)、水の申し子であるわさびは冷水を浴びせるようなつんとした一撃でもって、冷静な情熱をとりもどせるよう細胞をセットしなおしてくれているのかもしれません。


かつて霊魂一体だったころの巨大な獣のかたわれが、鉄とともに生きるわたしたちに正気をとりもどせるようにと、細胞を目覚めさせる魔法植物として結晶化した、きつけ薬なのではないかな、と。


☆☆☆


お読みくださりありがとうございました。
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